親との付き合い方

2019年7月24日アダルトチルドレンの実例

親との付き合い方

相談者

20代 女性

悩みの内容

母親との付き合い方に悩んでいます。

小学校高学年ぐらいまで、父親から虐待を受けていました。
母親は気の小さい人で、父を恐れて当時の私を助けてはくれませんでした。
中学生の時に両親は離婚し、母親と二人で暮らすようになりました。父が今何をしているかは知りません。
今は、一人で暮らしていますが、母と時々会うこともあります。
その時に、どうしても嫌な気分が出てしまう時があります。
なんとも言えない、恨みのような、怒りのような、寂しさのような感情です。
その時は落ち込んだり、母に八つ当たりをしたりしてしまいます。

二人で暮らしていたときは、私が荒れていて、よく母に暴言を吐いていました。
大人になるにつれ、収まっては行きましたし、今では一人の人として悪い人間ではないと思っています。

ですが、ちょっとした母の態度や、出来事で嫌な感情がわきあがります。
当時、助けてくれなかった事を根に持っているのだと思います。
認めている母と、憎んでいる母がいて、自分の中で上手く処理できないのです。

当時の事を話す事はありません。
お互いになかったことにしたいからだと思います。
私も思い出すだけで、身体に緊張が走ります。
できるだけ思い出したくはありません。

大事な母ですが、会って嫌な気分になる事がとてもつらいです。

親に対しての感情が不安定な原因

幼少期の虐待が今も感情に影響しているというアダルトチルドレンのパターンです。
特に身体的虐待の場合は、反射的に身体や感情が反応する場合があります。
相談者の場合、母親の至らない部分を見ると、その頃の感情が反射的に沸き起こっているのだと思われます。
更に、その感情と相反する感情も持っているので、自分の中で感情が矛盾しているという状態です。
これは、親を恨んだりするよりも、本人の感情はつらい状態です。

親に対しての感情が不安定な場合の対処方法

本来、虐待があった場合、加害者を憎んだり、助けてくれなかった人を嫌悪する事は当たり前です。
相談者が現在の母親を認めているというのは相談者の心の強さが表れていると思います。
ですが、反射的に出る感情というものは、なかなかコントロールする事が難しいものです。
また、相談者の中で矛盾した感情になっている事も、気持ちの行き場が無い状態になっています。
対処としては、感情の行き場を作ってあげることが必要かと思います。
今現在、母親を許していて、でも自分の中の憎悪のような感情を抱くという事実があるのですから、その気持ちを母親本人に伝えるべきかと思います。
相談者は、矛盾した感情を抑え込んでいる状態で、過去のトラウマを抱え込んでいる状態です。
母親への優しさや、今までの心理的対処がそうさせていると思いますが、溜め込んでばかりではつらさは払拭できません。

まずは、母親に在りのままの自分の感情を話してみるのはいかがでしょうか。
もちろん、母親はそれを聞いて傷つくかもしれません。
ですが、相談者が今はもう許しているのであれば、お互いが過去のこととして捉える事ができるはずです。
わだかまりを相手に伝えることによって、それが軽くなる事があります。
もちろん、自分の感情を客観的に伝える必要がありますが、相談者の場合、感情的にならずとも伝えられるのではないかと思います。

つらい事を乗り越えて、人に対して優しくできるのは、つらさを知っているからです。
きっと、当時の母親の心情や、今の心情も受け入れられるのではと思います。

感情を溜めているばかりでは、心が溢れてしまいます。
時には、溜まった膿を誰かにすくってもらう事が必要です。