アダルトチルドレンの解説

2019年7月24日

アダルトチルドレンに関する解説と克服方法を事例を交えてご紹介します。
アダルトチルドレンとは、機能不全家族の中で成長した子供が、大人になっても生き辛さを抱えている人のことを言います。
機能不全家族とは虐待やネグレクトなどがある、健全な機能を果せていない家族の事で、その中で成長すると無意識的な思考のクセが身に付いてしまい、生活や人間関係に問題を抱えやすくなります。
日本では、アダルトチルドレンという言葉自体が子供のような大人と誤認されていることも多いのですが、アダルトチルドレンは子供のような大人とは違い、根の深い意味を持っています。
元々は、アルコール依存回復の現場で、その家族に特徴的な傾向があり、特に子供は偏った性格傾向を持つ割合が高いというところから来ています。
これは発育環境が精神的成長に大きく影響し、その後も多様な問題の原因になることがあるという事です。
今では、意味合いが広がり、機能不全家族で育った子供が、大人になっても生き辛さを抱えている人々のことを指して、アダルトチルドレンと呼ばれています。

人が持つ考え方の偏りは、幼少期の環境によって形成され、無意識のうちにその人の性格を作り出しています。
その考え方の偏りが、今の人生の生き辛さにつながっている場合は、アダルトチルドレンだと言えます。
この場合、本人は自然とその考え方になっているので、自分では気付く事もなく、もし気付いてもアダルトチルドレンの改善方法が分からないといったケースに陥るのです。

例えば、自己表現が上手くできない人もアダルトチルドレンである可能性があります。
自己表現が出来ない理由は、幼少期の環境が捉え方・考え方に大きく影響していて、「親の言いなりに育てられた」、「自分を犠牲にしてでも家庭内の安定をはかった」などが考えられます。
自己表現をすることが許されなかった環境にあると大人になっても我慢をしてしまい、生き辛さを感じてしまいます。
他にもアダルトチルドレンには様々なケースがあり、特徴やタイプで分類されています。(各解説ページ参照)

また、アダルトチルドレンは、環境によって知らないうちに身に付いた性格とも言えます。
無意識に行われる「解釈」「思考」「感じる感情」「行動」がその人の人格とすると、その偏りは子供の頃の学習によって自動的に行われるようになるからです。
過去に原因があり、自分では選ぶことが出来なかったというのがアダルトチルドレンです。
ですが、アダルトチルドレンである原因の家庭環境は変えられなくとも、現在の偏りを修正する事は可能です。

尚、アダルトチルドレンは病名ではありません。
悩みを抱えている人の総称であり、内容には様々なケースが考えられます。
したがって、解釈には個人差があり、認識に若干のズレがあることも事実です。
また、専門家の中には否定的な見解を示す場合もあります。
問題の本質はアダルトチルドレンであることではなく、現在の内面にあると考えると、アダルトチルドレンに当てはまるという認識が、本人的に不安または安心となって良くない影響を与えかねないからです。
アダルトチルドレンは病名ではありませんので、アダルトチルドレンが原因で精神的な疾患になる事もありますが、結果的な症状で判断をされます。
そして、軽度の場合を含め、多くの方がこのアダルトチルドレンに当てはまるとも言われています。
何も悩みもなく生きている人は稀であり、多くの方がアダルトチルドレンになるのではないでしょか。

ここでは、アダルトチルドレンに関する解説と、改善のヒントを掲載しています。
現状で生き辛さを感じている方々に、少しでもお役に立てればと思っています。

Posted by 佐屋 鉄心