やらなければと自分を追い込む

2019年7月24日アダルトチルドレンの実例

やらなければと自分を追い込む

相談者

30代 男性

悩みの内容

仕事が上手く行かずに悩んでいます。
20代まではがむしゃらに頑張ってきたのですが、最近は自分の能力のなさに情けなく思っています。
無理や努力はしているつもりですが結果が伴なわない事が多く、不甲斐無い自分にイライラしています。
最近では「やらなければ」と思うのですが、行動が出来なくなってきています。
どんどん、周りに置いて行かれているようで不安です。

やらなければと自分を追い込む原因

仕事が上手くいかないときには、不安予測が過剰に働きます。
「こうすれば上手くいく」「これをすれば力がつく」などの前向きな発想が薄れ、「これをすると失敗するかも」「これをやっても遠回りかも」という不安ばかりが頭をよぎる傾向になります。
不安とは、危機への事前回避の兆候で、危機回避には必要な感情です。
ですが、過剰に感じてしまうと行動の妨げになります。
また、相談者の性格傾向が自分を責めるタイプのようなので、更に行動を萎縮させ、焦りを生んでいるようです。

人が何かをしようと思う時は、動機が必要です。
一般的に動機には、危機を回避する防衛的動機と、喜びなどを得るための快楽的動機の2種類があります。
ご相談者の「やらなければいけないけど出来ない」という現状にはこのどちらの動機も強く出ているため、成功経験が得られないとやる気と不安がバランスを崩し、行動できなくなっていくのです。
また、「やらなければいけない」と思うのは元々身に着いている考え方の偏りがある事があります。
ほとんどの場合、「やらなければいけない」というのは本人の思い込みで、周りはそう思っていないことが多いのです。
これは、幼少期から周りの期待に応えようと自分を追い込んできた方によく見られるアダルトチルドレンの傾向です。

やらなければと自分を追い込でしまう時の対処方法

客観的に自分の感情を分析してみる必要があります。
不安な感情を分析し、その不安は自分にとって必要なのか、本来感じなくても良い感情なのではないかという見方で向き合ってみましょう。
不安は向き合わずにいると、大きくなっていきます。
人は不安を抱くのが当たり前です。
不安があるから努力をし、不安に打ち勝とうとする動機が人を行動させる事もあります。

また、このケースの場合、状態の原因を自分にばかり向けています。
その状態になったのは本人の行動下もしれませんが、本人次第でそうなったかは誰にも分かりません。周りの状態で自分がそうなっている事もあるからです。
タラレバを言ってしまえばキリが無いのです。
それよりも、今の状態をよくする発想で今を捉えるのが賢明です。
不安への回避ではなく、成功を目指す選択を出来るように自分をコントロールする事が必要です。

「やらなければいけない」というのは負の感情です。
やらなければ何か悪いことがおきるという不安から発せられる感情です。
その感情で頑張る事が出来るのであれば危機回避の動機として成り立つのですが、萎縮してしまうのであればマイナスに働いてしまいます。
そこで、心理的対処法ですが、「やらなくてはいけない事」に対して、「やりたい事」を見つけてみるのがいいでしょう。
負の感情からの頑張りと、「自分がやりたい」を思う正に感情では動機の強さが違います。
正の感情の方が頑張れるのです。
やらなくてはいけない事、嫌な事に対して、少しでも楽しみや好きな部分を見出せれば行動の原動力になります。
どうせやらなくてはいけないのならば、自分にとって喜びになるように感情と行動を切り替えてみましょう。